仮想Windowsの使い方 – 初級編 –

Paperspace 仮想Windows コンソールデザイン マイナーチェンジ

はじめに

ChromebookCloudReadyなどのChrome OSのChromeブラウザーから使える仮想Windows「Paperspace」の作り方と使い方を紹介します。DAZ StudioやPhotoshop CCなどの重いアプリもサクサク使えます。Google GCPやAmazon AWSよりわかりやすく初心者向けです。

★ 2023年6月現在の情報:クラウド仮想Windows|Paperspaceの始め方を2023年版として最新の情報やスクリーンショットを用いて解説しています。

クラウド仮想Windows|Paperspaceの始め方 >>> zuccie.com サイト へ

これ以後の記事で、英語Windowsの日本語化や、VMのマシンスペックやストレージ容量のアップグレード方法メタバースspatial.ioのカスタムアバターをUnityやDAZ Studio、FaceGenなどを使って制作する方法などの紹介しています。

★ 2020年12月現在の情報:Paperspaceのコンソール・デザインがマイナーチェンジされて使いやすくなりましたが、慣れるまでは多少の混乱があったので以下の記事で違いを紹介しています。参考にしてください。

https://chrome-vr.com/2020/12/paperspace-console-design-change-virtual-windows.html

以下の記事の内容はそれまでのコンソールデザインのスクリーンショットを用いていますのでご了承願います。

なぜ仮想Windowsがオススメなのか?

一般的なユーザーが手持ちのPCで3DCGを始めた時に不便に感じるのは、レンダリング中に他の作業が重くなることです。

レンダリング中はPCのリソース(CPU/メモリー/GPU)の大半を使うので、例えばブラウザーやOfficeアプリなどの他の作業が重くなり、私の場合はそのPCはレンダリングが終わるまで放置して別のデバイスで作業を行ったり、本や雑誌などを読んだりしていました。

また、PCの性能が不足して3DCGのレンダリング時間が非常に長くなる場合もあり、寝る前にレンダリングを開始して翌朝結果を確認してがっかりする場合もありました。

NVIDIAなどのGPU付きの高性能PCは高価なので手が出ないし、最近ではブログ関連の作業やWeb会議 / コミュニケーションなどで軽快に作業ができるChromebookをメインに使っているので、そもそもWindowsアプリが使えません

今回紹介するような仮想Windowsを使うと、これらの課題を解決できるので3DCGの作業はすべて仮想Windows上で行っています。多少の課金がありますが、現状では月額2,000円以内に収まっているので許容範囲内です。

さらに、私の場合は、Adobeフォトプランに加入してPhotoshopの3D機能を使ったり、他のAdobe CCアプリを仮想Windows上で使えるので便利です。

Paperspaceのメリット

昨年まではAmazon AWS EC2Google GCPの仮想Windowsを使っていましたが、これらのサービスは基本的に企業向けなので個人ユーザーには使いにくい面があります。

そこで、現在は個人ユーザー向けで使いやすいPaperspaceを使っています。

さらに、AWSやGCPではAdobe CCアプリがなぜか使えなくなっていますが、Paperspaceでは問題なく使えているので、私にとっては便利です。

また、WindowsやmacOSで使えるPaperspace専用接続アプリから接続すると、USB Redirection機能により仮想Windows上でUSBデバイスがリモートで使えます。私の場合は重いDTMアプリでMIDIコントローラーを使うのに用いています。

一方で、Google GCPは最初の1年間は300ドルまで実質無料で使えるので、多少使いにくい面はありますが課金を気にせず使えるメリットがあります。また、日本語パックのインストールができるようになったのでシステムの日本語化も可能になりました。

Paperspaceで仮想Windowsの作り方

以下のサイトに行きます。

https://www.paperspace.com/

私の場合は「Sign up with Google」をクリックして、Googleアカウントで登録しました。

その後は右上の「Sign in」をクリックしてサインインします。

Log in with Google」をクリックしてGoogleアカウントでログインします。

最初は右パネルの「CORE」をクリックして仮想Windowsを新規に作成します。作成後は、左メニューの「CORE」をクリックするとコンソールから仮想Windowsを起動できます。

左の「WEST COAST (CA1)」をクリックして、アメリカ西海岸(カリフォルニア)のサーバーを選びます。

下にスクロールして、左側の「Windows 10… LICENSED」をクリックして選びます。Windows10のライセンスが含まれているのですぐにWindowsが使えます。

下にスクロールして、左から2番めの「Standard」をクリックして選びます。Photoshop2019で3D機能を使いたい場合などはその右の「Advanced」にしてください。CPU数 / メモリー容量 / GPUパワーが強化されます。課金額は増えますが・・・

下にスクロールして、プルダウンメニューから「100GB…」を選んでください。デフォールトの50GBだと課金額は安いですが、Windows OSでかなりのストレージ容量を喰うので、アプリで使う容量がすぐに不足します。

下にスクロールしてオプションの設定を行います。

私の場合は「Auto-Shutdown」を「8 Hours」にしています。仮想Windowsのシャットダウンを忘れていても、8時間後には自動的にシャットダウンしてくれるので過大な課金を防げます。「Auto Snapshot」は自動バックアップのようなものなのでそのままでOKです。

Payment」では最初にクレジットカード情報(私の場合はVISAデビットカード)を登録します。「ADD CARD」をクリックしてカード情報を英語で登録してください。

右下の課金情報を確認し「CREATE YOUR PAPERSPACE」をクリック。

利用した1時間あたり0.1ドル、ストレージコストは月額7ドル(固定)が課金されます。月に50時間利用した場合は月額12ドルの課金になります。

On/Ready」(ブルー)になれば準備完了なので、クリックして仮想Windowsを起動できます。電源ボタンが表示されたら、電源ボタンをクリックすると起動します。

上記はChromebookを1920×1080(フルHD)の外部モニターに接続している画面です。マウスカーソルはシームレスに仮想Windowsの内外で使えます。

DAZ Studioのレンダリング設定

過去に、Paperspace上でDAZ StudioのIrayでレンダリングを行うと、接続が切れてコントロールが効かなくなることがありました。調べると、レンダリング設定の「Advanced」でCPUとGPUの両方にチェックを入れていると、CPUをレンダリングにも使われてCPUの負荷がオーバーして通信に支障が出ていたと思われます。

当時はCPUのチェックを外して対応しましたが、最近ではそれだとレンダリングが動作しなくなったので、CPUのチェックは入れたままで、使うスレッド数(CPU Load Limit)を「4」から「3」に減らすことで対応しています。

英語Windowsの日本語化

英語Windowsの日本語化はGoogle検索すれば必要な情報が得られますが、以前はできた日本語パック(Language Pack)のインストールで現在はエラーが発生してできないので、システム言語が英語しか選べませんが・・・

★ 2020年9月時点で確認したところ、マイクロソフトのサイトから言語パックをダウンロードしてLpksetup.exeで日本語パックをインストールしたところシステムの日本語化も可能になりました。

アプリ上での日本語表示や日本語入力は普通にできますが、なぜか「@」マークが入力できない場合があるので、私の場合は日本語入力で「アット」を変換して「半角@」を選んで入力しています。

シャットダウン方法

以前は、右上の電源ボタンをクリックすると表示されるメニューから「Shutdown machine」を選ぶか、それがメニューに表示されない場合は、上から2番目の「Back to Console」をクリックしてコンソール画面に戻り、右上にある「Shutdown」ボタンをクリックして、左側のステータスが「Off」になるまで待ってログアウトします。

まとめ

最初は多少とまどいますが、私の場合は用途別に2つの仮想Windowsを作って使い分けています。作ったり削除したりが簡単にできるので、手持ちのPCより気軽に使える便利さがあります。

ブログにスクリーンショットを貼る場合も、Chromebookでスクリーンショットを撮って使えるので便利ですが、仮想Windows内で作成した作品などはGoogleドライブ経由でローカルPCに移す不便さはあります

ではでは、きらやん

Chrome 3Dの最新情報をお届けします

投稿者プロフィール

吉良 浩明
吉良 浩明Chrome 3D 管理人
広島市出身で函館市在住の68歳です。年金生活をしながら函館のレオパレス21に移住して新しい発想でシンプルライフを実現したいとVRオタクのミニマリストを目指します。

20年前から始めた3DCG/VRのスキルをサイトで情報発信し共有する活動を進化させ、Kindle電子出版やNFTマーケット(OpenSea)への出品、3DCG総合サイト(Sketchfab)での作品公開、メタバース(Spatial)での作品公開のトライアルなどを開始しています。

趣味は楽器演奏で、ピアノやバイオリンを18年前から習い始め、今はデジタル管楽器のローランド エアロフォン(AE-05)をZoomによるオンライレッスンで習い始めました。音楽ファンとしていろいろなジャンルの音楽を聴きます。DTMや3DCG/VRなどで作品を作るのも好きです。

よろしくお願いいたします。
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